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花とゆめ

「あの歌を聴いて救われた」とかあるいは「歌うことだけが自分のすべてだった」とか、音楽による治癒の効能を語る証言は多い。
これらはその中でもかなり直接的なもので、「薬をつけたら傷口が塞がった」というくらいのイメージではないだろうか。

一方で人が抱える「癒すべきもの」とは必ずしも原因・理由のある苦しみとは限らない。漠然とした焦りやモヤモヤや、あるいは自分でも気づかないくらいの、不調とは言えないような気分の揺らぎなどもあろう。
そしてこういうものすら音楽は癒す力を持っていると思うのだ。


11月3日、ちょうど3.11を逆にした日付となっているが、勉強の手を少し休めて、「花と水」を見に行ってきた。
「森」という名を冠したこの公演は当初三月に予定されていたが、あの時期に行われるはずだった多くの公演同様、無期限延期となっていた。
チケットは払戻の対象となったため、このまま流れてしまうものと思った。

それからしばらくした頃に、この延期となっていた公演の情報を再び目にしたが、少し躊躇した。
というのも、自分は毎年、12月下旬に試験を控えている。しかも結構あとがない身分。11月というのは少しでも勉強時間を確保したい時期に既に入っている。

少し迷って、やはり行くことにした。
彼の他のバンドは何度も見ているので年末分は我慢するが、この花と水はまだ未体験。しかも、今回は会場を花で彩るというコラボレーションもついており、このようなものにはもう当分お目にかかれないかもしれない。
そこまで自分の唯一といってもいい楽しみを我慢したら、かえって勉強どころじゃなくなるくらい悔やむかも知れないという言い訳のもと、チケットを申し込んだ。

花の香り(あまり詳しくないが、百合だろうか)に包まれながら、眠気を誘うようでいてアドレナリンが放出するような、素晴らしい演奏。

完全即興というのは結構危険で、ただでたらめにやっても結構退屈になってしまうものだが、スタンダード曲と交互に演奏することで、夢の間を行き来するような不思議な感覚を起こさせ、
演奏前に敢えて「眠くなったら寝てください」と言っていたが、「覚醒」「寝ているような感覚」「睡眠」という三つの状態を作り出していたのかもしれない。

ひとつ、このときにあった出来事。
それは、演奏中に、(少なくとも自分には)久々の地震があったこと。
この公演が地震で延期になったものであることと重なって、「思い出してしまった」という方も中にはいたかもしれない。
自分も揺れが少し大きかったこともあり(たぶん会場が6階に位置していたからだろう)、最初は恐怖を感じた。
しかし、そのまま演奏が続けられる中で、それが何かの終わりを告げるような、最後の揺れであったような気がしてならなかった。
(もちろん地震は今後も起こる。)
ものは考えようとは思うが、3.11から(実際にはもう少し経ってからだが)ずっと心につっかえていた、表現できないというか、自分でもよくわからないが、そういうのが少し晴れたような気がするのだ。

ニュースなどを見ていると、思っていた以上に復興には時間がかかっているようだが、ほぼ無傷の東京人がいつまでもモヤモヤしていても始まらないのだから、自分の出来ることをやろう、ということの、頭で分かっている部分と実際の心の状態の割合が、また少し前を向いたような、そんな演奏会であった。


花と水
菊地成孔南博が織りなす、ジャズの服を着た茶花道。
ジャズのスタンダードと完全即興を交互に並べ、日本人の“粋”を表現することをコンセプトとした作品。「花とゆめ」とは別物である。

花と水

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その他
10月末には、akikoの10th Anniversary@BillBoard Live Tokyo guest with Jill-Decoy Associationを見てきました。
今までvidaしか聴いたことなかったんだけど(これはすごいお気に入り)、もっと広げてみようかなと思わせる素敵なコンサートでした。
長くなったので詳細は割愛。

Vida(初回生産限定盤)

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今日は駅伝でした。
全然勉強してないように見えるかも知れませんが(確かにこの日記書いている暇はホントはないのかも)、会社のチームでエントリーしていたところに欠員が出たので、補欠で出てほしいということで急きょきまったものでして、断ることもできたかもしれないですが、資格試験を取ることが、チームワークよりも重要とは決して言いきれないと思うのですよ。まあ、思った以上に頑張ってしまったため、午後から始めた勉強も集中力が結構途切れがちなのは誤算ですが。
明日は今日より頑張らなければ。

そろそろ試験のための休みを取る季節。
今年は「休んでもいい」というより、「休み取れ」という語気になってきておりますので、いつ休むかを少し考えたいと思います。


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