卒業と、それまでのうとうと(6)

ここまでを振り返っても、今年は年初から「地下アイドル」「ヲタク」というものを中心に据えた生活をしてきたと改めて思うが、特に夏はそのピークを迎えていた。

8月から9月の半ばにかけて、アイドルにつきものの「卒業」というものが自分の行く現場ではほとんどなく、週末に限らず平日の夜まで(結局TIFには行かなかったものの)地下アイドルのライブに足を運んでいたし、テレビがないからリオ・オリンピックはほとんど見ていなかったが、相変わらずSR(とか、キャスとかその他配信)はよく見ていた(というか、ぶらぶらイイ娘を探したりはしていなかったが、みんなよく配信していた)。もうプライベートな時間は、ポケモンGOしてるかヲタクしてるかというくらい、(体調は夏風邪をこじらせて喉・鼻の状態が悪かったし、別にやるべきことがある点で心の片隅に焦りは抱えていたが)幸福感と癒しに満ちており、おそらく今後この時期を振り返っても、まさにSummer of Loveというに相応しい季節だったように思う(個人的な観点ではあるが)。

ちょこカカはほぼ箱推し状態で、本推しが休みでも現場に行ってたし(いないからこそ、他のメンとも気兼ねなくチェキ撮れる(笑))、いつものヲタクもいなければ隠れて沸いてくれる運営さんもおらず、自分が最前で他のグループのヲタさん達を先導する(ホントそういうの苦手なんだけど)、なんてこともあった(8月20日@アキチカ)。アレは正直しんどかったよ、周りのみんながイイ人で一緒に沸いてくれたから助かったものの(笑)。台風で会社から早帰りを推奨されたのをイイことに、浴衣ライブ(神イベ)に行ったこともあった。

KissBee的には、正規ももちろん好きなんだけど、実際モチベは愛梨・ゆりりだから、ZEROかBeeGirlsの出てるイベントを軸に回っていた。BeeGirlsのお披露目は確かKissBeeZEROの定期公演(8月14日@ココナッツステージ)だったと思うけど、Zeppワンマンを除けばステージに立つかしゆりを見るのはちょこカカ卒イベぶりで、「ホントに戻ってきたんだな」って、胸にくるものがあったよね。
ZEROの定期といえば、9月のZERO定期にはちょこカカが対バンで出ていて、僕の記憶ではちょこカカで初めてリフトがなされたライブだと思う(あんな狭い会場で(笑))

PLCは、実はしょうぴー以外ほとんど絡んだことがなくて、あとはたまに小西(りかっち)とたまに絡むくらい(他のメンバーが気に入らないということでは決してなく、タイミングが合えば他の娘とも話したい)というのもあり、都合上行けるライブの関係からも、もりソロが多くなってしまいがちだったが(PLCのヲタさんとも少し話をするようになって、半ば冗談で「もりソロしか来ないのかと思った」と言われたことも)、PLCのライブも仕事が終われば結構見に行っていた。ワンマンとか、結構ポイントになるイベントは都合つかなくて飛ばしがちだったけどね。
それから、CDの特典(とりあえずファンミ)のために同じCDを複数枚(今回は10枚)買う、というのも初めてやったなー。ファンミ当日にやや鬱状態に入ったりなどして結局行かなかったんだけど。つまりただ同じCDを10枚買っただけになってしまったので(“初回盤と通常盤”とか“リマスター”というのでなくこれをするのは慣れてなくて、ちょっとドキドキしたよ)、次はちゃんと特典を享受できるようにと、またやるかもしれない(10年以上前に菊地成孔が「CDは株券ではない」の中で(図らずも)予言してしまった“CDの株券化”を(ムダに)体験しておきたい、というのもある)。
PLCの定期公演には後にKissBeeZEROも出ているし、自分がサマロケ(あとで出てくる)のライブを初めて見たのもまたPLCの定期公演だったりする。ちなみに、渋谷DESEO(またはDESEO mini)の定期公演は基本的にハート×ストリングスとの合同定期公演。

ある日(8月23日だが)のPLC定期公演@DESEOで、合間にツイッターを見たら、とある知り合いのヲタクさん(先輩)が「今日はDESEO回せないな」と呟いている。あれ、自分、今DESEOにいるじゃん。というのがキッカケで印象に残ったのが、Summer Rocket。当時で結成から2か月くらい、ライブは曲の間奏に寸劇みたいなのが入ってたり、最後に風船膨らませて飛ばしたり飛ばせなかったり、持ち曲が2曲しかないので同じ曲を2回やったりと、なかなかgdgdな(楽しい)グループが対バンで出ていた。その日は目当てがPLCだったこともあって、ちょっと離れて見ていたし物販にも行かなかったけど、「はんなり高気圧ガール」のキャッチフレーズ(使わなくなったっぽい)の娘の屈託のない笑顔にどこか癒されていた。
ただ、もしその日、そのヲタさんのツイートを見なかったら、そのあとサマロケの現場に行ったりしたかはわからない。「今日サマロケ見てましたよ」とリプを入れたところから、そのヲタさんがサマロケ現場に誘ってくれるようになったので、都合が合えば出向くようになったのだった。
初めてライブを見てから次に現場に行ったのは、だいぶ間が開いて9月15日の新宿Motion。平日だったが出番が遅かったので間に合うとみて会場へ向かった。前回はぼーっと見てたライブも今回はちゃんと前に行って見てたし、物販にも行った。終演後でいろんなグループが物販をしており、ヲタクがごった返している活気にも影響され、囲みチェキ、ツーチェキと、Rocket(雑誌)、CD-Rまで買うという散財ぶり(いや、それほどでもないか)。そしてこの日ツーチェキを撮ったのが、まさに初めてライブを見たときに癒しをもらった、はんなり高気圧ガール(当時)こと、愛わなび、である。ただ、もしこれが結構出来上がったグループなら、会話も時間をキッチリ区切られただろう。できたばかりのグループで、比較的自由に会話できたことから、プロフィールの書いたビラを見ながら「もうすぐ誕生日なんですよ」という話題になった。10月9日。お、ジョン・レノンと同じか。と内心思っていたら「ジョン・レノンと同じなんです」と続けるではないか!「それ、今まさに自分も思ったところ!」釣り上げられた瞬間である。
サマロケは、わなびに限らずみんなアイドル以外のロックとかも好きらしく(脱線するが、ちょこカカのまゆもそうだな)、というか、あとで知るのだが、グループの出自からして元SEBASTIAN Xのメンバーが関与しているわけで、当然といえば当然。楽曲も、音源化された2曲に限っても良曲で、聴けば聴くほどヘビロテ状態(音源化していない、まだライブでしか聴けない曲もイイ。とか言ってるそばからライブ映像が公開された)。

youtu.be

現場に行った回数はまだまだ少ないが、自分の復帰後(ホントは2か月近くあったのだが、こんなの書いてたら想定以上に長くなってしまい、あと半月ほどになってしまった(笑えない))の主な現場となるのは必至である。

夏の終わりはまたしても突然に、そして界隈にとっては衝撃的に訪れた。
オーディションの最終結果から3か月、ある意味で新グループの立ち上げであるBeeGirlsを引っ張ってきたことなどの成果が認められ、鹿嶋友理奈は選抜投票の当日に声の調子が絶不調であったにもかかわらず、KissBeeZEROへの昇格を果たす。浅野愛梨も残留を決め、その日は祝福のとてもいい気分に浸っていた。そんな夜の、ツイ廃を発動して(いつもしているが)ぼんやりTLを眺めていたときである。僕の記憶では、確か、バイちゃんのツイートが最初に目に入ったと思う。「私、カンバイは〜」こんな、かしこまった出だしに、半ば内容は察したが、信じられないという思いで続きを読んだ。11月中旬で卒業。まさか。僕は、11月頭(2ndワンマン以後)から12月の半ばまで諸事情により引きこもる予定でいた。戻ってきてから、またこれまでのようにヲタクする日々を、まあ、永遠とは言わないまでも当面は続くものだと。ものごとはどんなことであれ、そう思い通りにはいかないものだな。こんなところで味わうとは…。と、ショックに打ちひしがれていたのも束の間、次に目にしたのは、多分運営アカウントだった。そのツイートに記されていた内容、卒業するメンバーはなんと1人ではなかったのだ。一期生のカンバイ、さっこ、みっきの三人が、同時に卒業することが発表されたのである。そして、それに続けてさっことみっきも自身のアカウントで各々卒業を発表した。信じ難かった。何かの間違い?悪い冗談ではないのか?しかして、それは事実であった。界隈ツイッターには重い空気がのしかかる。後日聞いた話では、タイミングは同じであるものの、それぞれがそれぞれに進退を悩み決断したとのこと。示し合わせてということではないらしい。もともとみっきは理系で多忙ということもあり、最近は休みがちだったし、出てきてもどこか暗い雰囲気があって、近く卒業することを予想していた人も多い。さっこも、インターンしていたし、そろそろ就活が本格化するだろうから、遠くはないだろう。一方、バイちゃんについては、ヲタ活なりなんなりで楽しんでいる風で、試験やレポートが忙しいということも同時に言ってはいたが、もう少し先だろうとみんな読んでいたようだ。
3人同時は正直キツい。
しばし重い空気は流れもしたが、1人のヲタ(さっこ推し)の「卒業決まって暗くなるんじゃなくて、みんなでバカやりましょ」の一言。本人が一番ツラいと思うんだ。入れ込み具合とか本人の性格からして。でも、ヲタクが暗いままじゃ卒業する方も気持ちよく卒業できない。それよりも心置きなく卒業できるように、最後まで楽しみ切ろう。そんな決意だったのであろう。僕はこの言葉に全乗りして、行けるイベントは極力行って盛り上げようと決めた。実際、そこから卒業までのライブは、これまで以上に(自分でも久しくこんなに騒いだことないなってくらい)沸いた。あの短時間に声枯れちゃうくらい(もともと喉が強くないけど)コールした。チェキもとにかく一期生を優先に撮った(2期生以降のメンバー、ごめんなさい)。

一方、KissBeeZEROの現場である。かしゆりが昇格してきたことにより、当初の予定ではかしゆりへ“推し変”という形にするはずだった。が、気弱でMr. Yesmanの自分が、これまで押していた娘と簡単に手を放せるわけもなく、結局1つのグループに推しが2人いる状態にしてしまったのである。いわゆる推し増しというやつだと思う。基本ループをしないのに物販にかかる金額が倍になるのは難点だが、同時に歌っているときにどっちのコールしたかとか、自分がどっちと先にチェキを撮ったかで文句を言われながら(戯れだよ)、でもどちらとも仲良くしたい…という勝手な引き裂かれに(自作自演的に)思い悩むのも、楽しかった。そんな両手に花ともいえる状態(違うか)も、そう長くは続かない。

10月18日、浅野愛梨が10月いっぱいでKissBeeZERO(というかアイドル)を卒業することを発表したのだ。
ちょこカカ一期生の卒業でもだいぶ参っているのに、このタイミングで、しかも短すぎる…。行けるライブはもう何回もないし、卒イベみたいなのの企画もできる期間じゃない(一応、ヲタクからの寄せ書きみたいなのはあったけど、その場で考えて書くの苦手だからあんまり気持ちの入ってないコメントになってる)。知り合いのベテランヲタクさん(ちなみに、その人もちょこカカ界隈でもある)みたいに、さっとプレゼント用意して渡せるというような手際もない。結局僕にはやっぱり、できるだけ現場行って沸いてコールして、くらいしかできないのだ。ヲタクの道は長く険しい。いつまで行けるか分からない、とか伝えつつ、最後の10月30日(KissMarkという、KissBeeがメインのイベント)まで付き合うことになった。そもそも自分が半人前ヲタクで歴が短いのもあるが、「アイドルになってから卒業するまで」を見届けたのは、浅野愛梨だけのように思う。またしばらくして振り返ったときに、どんな気持ちになるのか、自分の浅い経験では想像が及ばないが、今は呆然とした感じだ。ライブがなければほぼ唯一の繋がりであるツイッターのアカウントも、11月半ばにはみんなにリプを返し切ったあとに削除されてしまった。ヲタクが受け取ったリプをスクショしておくのは、そういう意味もあるのかもしれない。卒業とかなんとかによりアカウントが消えてしまうと、自分へのリプも残る保証はない(単純に、スクショしておけば後から見返しやすいというのもあるが)。

先に卒業を発表したちょこカカ一期生の卒業もいよいよ近づき、ヲタクもその準備に取り掛かる。もともとの経験不足に加え、前からこの時期は手伝うの厳しいと公言していたこともあり、みっき推し(なんと地方組)と先のさっこ推しのヲタクが中心となって積極的に準備を進めてくれていた。何もできない申し訳なさと、いろいろ進めてくれることへの感謝。他の界隈のことは知らないが、カカオットの人たちは、本当に気遣いのできるいい人ばかりだ。陳腐な表現しかできないが、そう思う。

11月は、もともと2日の2ndワンマンしか行く予定がなかった。1stを見ていない自分にとって、(間に1.5ワンマンはあったものの)これを逃すのはさすがに考えにくかった。例年は11月から法事以外のイベントは入れていなかったが、これを最後と定めていた。祝日前の平日で多少退社しにくいこともあったが、なんとか最初の1、2曲くらい逃す程度の遅刻で済んだ。会場はかなり大きな箱の新宿ReNY。ステージに花道を作って、多少はごまかしていたが、人はまあまあ入っていたし、最初から入っていたカカオットも既に全開で沸いていた。自分も2、3曲聴いたらもうスーツ着てらんなくなって、ジャケット脱いでワイシャツの裾も外に出してしまった。
カカオまめ%のいちごパフェとかnerve、ずっとやってきた定番のオリジナル、カバーメドレーに、最近追加された新曲などなど、一期生中心に一つの集大成というにふさわしいワンマンだったのではないかな。盛りだくさんで、次の日は声も身体もカスカスになるほど全力で沸いたよ。
そしてアンコールでのさっこ生誕。「ちょこっとだけ」の落ちサビでサプライズのラベンダーのサイリウムの海は、観客側から見ててもとてもキレイで、さっこ推しのTO(?)から花束を渡す情景に、地下アイドル現場というかヲタクの世界にある一つの美しさを見た。
他の現場を知らないから言えることかもしれないけど、最高のワンマンだったな。
物販はレギュレーションの変更(値上げ)とか流れの悪さとかあったりもしたけど。

早稲田祭は、ホントに当日になっても行くかどうか迷っていた。悩んだ挙句、両日ともライブだけは見ようということで足を運んだ(中途半端っちゃあそうなんだけど)。
5日(1日目)は、さっことあやりんが所属するアナウンス研究会の催し。機材の都合でダミーマイクなのがバレバレなのはご愛敬(笑)、イベントなので途中にインタビュー(?)みたいなのも挟みつつ、卒業生のじゅりとかしゆりからのメッセージなんかもあって楽しかった。(ちなみにこの日の物販でクラウドファンディングにより作成した写真集を回収した。)
6日(2日目)、これのミルクホールの方は、まあ、なんか真ん中に柱があってネタっぽくなっちゃったけど、そのあとの11号館前ステージのライブは、めっちゃ盛り上がった。リフトもしたし(3人くらい上げたのだが、そのためか腕が筋肉痛になったw)、自分にはついていけなかったがヲタ芸も打ってたし(来年の課題だ)、会場全体的に盛り上がってた気がして、いい早稲田祭の締めくくりになってよかったと思う。早稲田祭は撮影可らしく、ツイッターなどを探せば当日の様子がうかがえると思う。

そして、ついに12日、卒業イベント@阿佐ヶ谷家劇場である。
どういうめぐりあわせか、この日はKissBeeZERO解散前最後のライブ(KissMark)もお昼にあり、つまりしばらくはかしゆりも表立った活動がなくなるということなので、物販には行くまいと心に決め、お昼休憩の中という建付けというか言い訳のもと、15分のライブだけは見納めた。こっちが見えてたかはわからないけどね。

ちょこカカ一期生の卒業イベは2部制で、1部はいつもどおりのライブ、2部には卒業メンバーそれぞれのソロを含む卒業イベントという流れ。それぞれの部に物販の時間もあった。
会場はかなり狭く、なんとなく最前に押し出される立ち位置は役得というかそういうところだ。もう手が届きそうなくらい近い。ホントにライブはこれが最後なんだ、沸き切ってやるぞ!もともと小さいときに「泣き虫」と馬鹿にされていた反動で、人前では無意識に涙を堪えるタイプというのもあるが、全部を楽しむことが、自分にできる送り出し方だってキメてかかっていた。泣きたかったら終わってからいくらでも泣けばいい、もう一緒にライブを体験することはないのだから。

口下手な僕は、結局最後まで推しともまともに話は出来なかったけど、アイドルをやっていた頃を振り返ったときに、自分を応援してライブを盛り上げたりしていた一人として、僕のことも思い出してくれたら、嬉しい限りである。

この日以来、アイドルに限らずライブを見に行っていない。
ああ、早くライブ行きてぇなぁ!

 

y-intercept

 

P.S.
一連のブログのタイトル「卒業と、それまでのうとうと」は、ただ単に“アイドルの卒業”にまつわる話をしようと思ったというだけで、泉まくらさんのアルバム名から引用させてもらいました。内容については一切関係ありませんが、いい盤なのでご興味あれば聴いてみてください。

Apple Music 内の泉まくら「卒業と、それまでのうとうと」

youtu.be