学校へ行こう

コモンズ感謝祭、というものに行ってきた。
コモンズ(commmons)っていうのは、僕の認識では、


坂本龍一氏が主宰する音楽レーベル」


であり、僕のお気に入りのコトリンゴやmi-gu(あらきゆうこのソロプロジェクト)なども所属している。
そのほか、CDに限らず音楽に関係あるモノ・ないモノなど幅広く扱っているマルチなレーベルである。


で、そのコモンズが感謝祭を催す、ということだったので、見に行ってきた、というわけだ。


まず会場。
世田谷ものづくり学校という、実際の学校の使われなくなった校舎を利用しているアートスクールのようなところを、一部借りてイベントをする、という形式。
すぐ隣は小学校のようで、校庭では野球か何かのチームが練習していた。
コモンズが全てを借り切っているわけではなく、一部の教室では別の団体が何かをしていた。
空き時間にぐるりと回ってみたが、なかなか面白そうではある。



で、この会場に入るためのチケット。
これはチケットぴあとか、ローソンとかでは手に入らなくて、先日発売されたcommmonsのコンピ


CC:01


というCDの帯がチケットになっている。すなわち、このCDを買わないと入れない。
実はコンピってあんまり好きじゃないんだけど、このチケットと特典のPV集があるので、今回は購入してしまった。



さて、そのコンテンツはというと;


1.坂本龍一/POSTYMO写真展
2.ミニライブ
 naomi & goroとコトリンゴがそれぞれ30分を2セットずつ
3.講義教室
 schola講座(小沼純一氏、大谷能生氏)
 □□□演奏撮影会の反省会
4.Yellow Magic Orchestra Live上映会


僕の目当てがコトリンゴのライブであることは上にも「お気に入り」と書いてある通り、コトリンゴであるのはわかるであろう。
僕の行動は次のとおり;


13:35くらいに会場入り。既に始まっていたが、naomi & goroのライブを見る。
ボサノバ・デュオ、といった感じで、二人でギターを弾きながら、naomiさんがメインで歌う。
コンピにも1曲入ってはいたものの、あんまりちゃんと聴いていなかったが、こうしてライブで見るとすごくいい感じ。
naomiさんの歌声もそうだが、ボサノバのもつ炎天下のけだるさみたいなのが今日の好天と微妙に作用して、
なんだかそこまでメジャーな曲調でもないのに、ニコニコしてきてしまった。


Live会場ももちろん教室で(なぜかここで靴を脱ぐ)、でも学園祭ともちょっと違うんだよね。外が静かだから。
で、教室の反響が結構よくて、それから、(少なくとも表面は)木の床から靴を脱いだ足を伝わってくる音がなんとも言えない感動を与えてくれる。
曲は全然知らなかったが、ショーン・レノンのIn to the sun、ジャニス・イアンのWill you dance、最新アルバム収録のGood night Songと言っていた。


14:00にライブが終わってから、校内を少し散策。
別の会場ではschola講座(小沼氏のクラシック編)をやっていたが、
コトリンゴ・ライブのために途中抜けなくてはならないので、最初から見ないことにした。
適当に徘徊してから、再びライブ会場へ。


14:30からはコトリンゴのライブ。
椅子が空いてたので座ったら、前の人に隠れて全然見えず。
でもなんか、どくのも気まずかったので、頭を動かして頑張って覗いたり、目を瞑って音に耳を澄ませたりしたが、
どうやらコトリンゴさんではいい席に縁がない模様。


セットリストは確か以下の通り;


1.こんにちは またあした
2.予感
3.Hedgehog
4.おいでよ
5.tiey tiey tea
6.こどものせかい


短かったのと、何度か足を運んでいるため、珍しく覚えている。
〜teaは例のごとくみんなにコーラスさせていた。
何度聴いても圧倒される、一調するとかよわいだけの印象だが、ちゃんと全体を聴くと、力強い楽曲。
上でも書いたように、教室なのでまたいつもと違った雰囲気が味わえた。



15:00にライブが終わり、またぶらぶら中をみつつ、naomi & goroのライブをもう一度あたまから見たいと思い、
□□□の反省会には行かなかったが、後でコトリンゴさんが参加していたと知り、その姿を見逃したのは残念だった。


YMOライブの上映会はちら見。with 小山田圭吾高田漣権藤知彦と書いてあったからもしやと思ったが、
おそらく昨年夏のWorld Happinessのものである。Hello Goodbyeで始まってたし。
これは会場にいたんだよね。また見たいなぁ。
今年は安藤裕子大橋トリオカヒミカリィなんかも出る予定だそうで、要注目である。


で、2nd setまでもう少し時間があったので、写真展のところにある物販を拝見。
後で見ようと思っているschola講座の教科書とも言えるscholaが置いてあり、
(2,000円以上)お買い上げの方を対象に抽選会をしていたので、一冊購入してしまった。
本プラスCDだが、なかなか高額な買い物だ。
抽選はもちのロンで参加賞のcommmons関連ノベルティ。sweet nestのメモ帳をいただいた。


15:30に、その本(プラスCD)を持ったまま、ちょっと早めだが再度ライブ会場の教室へ。
今度はまだあんまり人も入っていないので、真ん中あたりの音も見るのもかなりのいいポジション。


15:45からnaomi & goroの2nd set。
ジョビンの曲を2つくらいやったのち、in to the sunに入ったので、ココからさっきと同じだと思う。
今度CD買おう、と思うくらいに納得した。


ライブ終了後、16:30からはschola講義、大谷能生のジャズ編。
大谷氏の名は、菊地氏とアイラー講義などでタッグを組んでいることで知っていたが、実際に見るのは初めて。
確か自分の兄はライブで見てるんじゃないだろか?違ったかな。


講義内容は、(おそらく)アイラー講義の超縮小版的に、scholaの概説を行う、という感じ。
すなわち、付属のCDや、その同時代、同系統の音源をかけつつ、その時代背景とか、歴史的意義を解説する、というもの。


なのだが、付属CDで言えば2曲目くらいのプレモダンとかスウィングミュージックとかの時点で既に持ち時間の半分(30分)が経過。
なんとも話が方々へと展開する進み方で、その展開の仕方も面白く、
アイラー講義の雰囲気もたぶんこんなだったろう、と、それを体験できただけでもこの講義を聴く価値はあった。


話の内容的には、細かい点で新しい情報があったとはいえ、概ねアイラーなどと重なっており、
そのため、(特に後半)話が走っても理解できたし、深まった。
なにより、音源をかけながらの講義っていうののイメージがちゃんと体験として結実したことに大きな喜びを感じた。


後半はかなり走ったが、やはり60年代に追いつけず、20分延長でコルトレーンのmy favorite thingsを聴き、
最後はまさかの山下洋輔


講義の行間や、フリージャズ以降については、scholaを読んでください、という感じで、
まあ、うまい具合に締まったのでは。


18:00に、校舎を出るところで、受付にコトリンゴが座っていてびっくりしたが、
どうやら、コトリンゴグッズを買うとサインをくれるらしい。
でも、アルバムは全部持ってるからなぁ。



そのまま渋谷まで歩いて、渋谷から電車にて帰途についた。
相当にボリュームのある内容であったのは、この長さを見ればわかるが(てか、ここまで読む人いねえな)、
CD一枚買ってここまでの体験は、かなりお得感がある。
あ、でもscholaも買ってるんだ。これ読めるのいつだろ?このシリーズちょっと集めたいけど。



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